百人一首(99)後鳥羽院/歌の意味と読み、現代語訳、単語、品詞分解、覚え方
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
このテキストでは、
百人一首に収録されている歌「
人もをし人もうらめしあぢきなく世を思ふゆゑに物思ふ身は」の現代語訳・口語訳と解説(倒置・句切れなど)、歌が詠まれた背景や意味、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に、
続後撰和歌集(しょくごせんわかしゅう)にも収録されています。
百人一首とは
百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・
藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。百人一首と言われれば一般的にこの和歌集のことを指し、
小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)とも呼ばれます。
暗記に役立つ百人一首一覧
以下のテキストでは、暗記に役立つよう、それぞれの歌に番号、詠み手、ひらがなでの読み方、そして現代語訳・口語訳を記載し、歌番号順に一覧にしています。
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暗記に役立つ百人一首一覧
原文
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
ひらがなでの読み方
ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
現代語訳
人がいとしくも、人が恨めしくも思われることだ。(この世を)つまらないと思うがために、思い悩んでいるのだよ私は。
解説・鑑賞のしかた
この歌の詠み手は、82代天皇、
後鳥羽天皇(ごとばてんのう)です。院政をしいたのちの歌のため、百人一首には、
後鳥羽院(ごとばいん)と表記されます。
後鳥羽院は、壇之浦で平家が滅亡し、鎌倉幕府が誕生した時代に即位しました。最終的には鎌倉幕府と対立し、承久の乱で北条義時らに敗れ、隠岐へとの流されました。鎌倉幕府と対立し、なかなかうまくいかない苦しみを詠んだ歌といえます。
主な技法・単語・文法解説
■技法
上の句と下の句とが倒置になっている。
■句切れ
二句切れ。
品詞分解
※名詞は省略しています。
人 | ー |
も | 係助詞 |
をし | シク活用の形容詞「をし」の終止形 |
人 | ー |
も | 係助詞 |
うらめし | シク活用の形容詞「うらめし」の終止形 |
あぢきなく | ク活用の形容詞「あぢきなし」の連用形 |
世 | ー |
を | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用「おもふ」の連体形 |
ゆゑ | ー |
に | 格助詞 |
物思ふ | ハ行四段活用「ものおもふ」の連体形 |
身 | ー |
は | 係助詞 |
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。