のりこぼる/乗り溢る
ラ行下二段活用
未然形 | のりこぼれ |
連用形 | のりこぼれ |
終止形 | のりこぼる |
連体形 | のりこぼるる |
已然形 | のりこぼるれ |
命令形 | のりこぼれよ |
■意味1:自動詞
乗り物から衣服が外にはみ出る。
[出典]:車争ひ 源氏物語
「げに、常よりも好みととのへたる車どもの、我も我もと乗りこぼれたる下簾の隙間どもも、さらぬ顔なれど、ほほ笑みつつ後目にとどめたまふもあり。」
[訳]:なるほど、いつもより趣向を凝らした車らの、我も我もと乗った車から(女房たちの)衣服がはみ出ている下簾の隙間に対しても、さりげない表情ですが、(光源氏が)微笑みながら横目でちらりと目にとどめなさるものもあります。
■意味2:自動詞
牛車などに人があふれるほど多く乗る。
[出典]:宇治拾遺物語
「車に乗りこぼれて、やり寄せて見れば...」
[訳]:(殿上人が)車にあふれるほど多く乗って、近くに進め寄せると...