ひきあぐ/引き上ぐ
このテキストでは、ガ行下二段活用の動詞「
ひきあぐ/引き上ぐ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ガ行下二段活用
未然形 | ひきあげ |
連用形 | ひきあげ |
終止形 | ひきあぐ |
連体形 | ひきあぐる |
已然形 | ひきあぐれ |
命令形 | ひきあげよ |
■意味1:他動詞
引いて上にあげる。
[出典]:
にくきもの 枕草子
「帽額の簾はまして、こはしのうち置かるる音、いとしるし。それも、やをら
引き上げて入るは、さらに鳴らず。」
[訳]:帽額の簾はさらに、木端が敷居にあたる音が、たいそうはっきりしている(ので耳に障る)。それも、そっと
引いて上にあげるときは、少しも音がしない。
■意味2:他動詞
(目をかけて)
昇進させる、登用する。
[出典]:塵芥集
「子細あって下人を引き上げ...」
[訳]:わけがあって下人を登用し...
■意味3:他動詞
予定を繰り上げる。
[出典]:都遷 平家物語
「一日引き上げて、二日になりにけり。」
[訳]:(遷都の予定を)一日予定を繰り上げて、二日になってしまった。