かひなし/甲斐無し/効無し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
かひなし/甲斐無し/効無し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容詞・ク活用
未然形 | かひなく | かひなから |
連用形 | かひなく | かひなかり |
終止形 | かひなし | ◯ |
連体形 | かひなき | かひなかる |
已然形 | かひなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | かひなかれ |
■意味1
効き目がない、無駄である。
[出典]:
枕草子 清少納言
「泣き顔つくり、けしき異になせど、いと
かひなし。」
[訳]:泣き顔を装い、そぶりも(共感して悲しんでいるように)普通ではない様子をするのだが、まったく
効き目がない。
■意味2
どうしようもない。
[出典]:
伊勢物語
「足ずりをして泣けども
かひなし。」
[訳]:(男は)地団駄を踏むことをして泣くのですが、
どうしようもありません。
■意味3
ふがいない、取るに足らない。
[出典]:平家物語 少将乞請
「成経とても、かひなき命を生きて、何にかはし候ふべき。」
[訳]:成経としても、取るに足らない命をながらえて、何をしましょうか、何もできません。