「さこそ/然こそ」の意味・活用・使用例【連語】
このテキストでは、古文単語「
さこそ/然こそ」の意味、解説とその使用例を記している。
成り立ち
副詞「さ」と係助詞「こそ」が一語になったもの。
連語
■意味1
そのように、そんなに。
[出典]:
悲田院の尭蓮上人は 徒然草
「それは
さこそおぼすらめども、己は都に久しく住みて、慣れて見侍るに、人の心劣れりとは思ひ侍らず。」
[訳]:あなたは
そのようにお思いになっていますが、私は都に長年住んで、(都の事情に)慣れて理解しておりますので、(都の)人の心が(東国の人に比べて)劣っているとは思いません。
■意味2
(下に推量の表現をともなって)
さぞかし、きっと。
[出典]:
これも仁和寺の法師 徒然草
「医師のもとにさし入りて、向かひゐたりけむありさま、
さこそ異様なりけめ。」
[訳]:医者の所(家の中)に入って、(医者に)向かって座っていたであろう有様は、
さぞかし風変わりであっただろう。
■意味3
(逆説条件の表現をともなって)
どれほど-でも、いくら-でも。
[出典]:大原御幸 平家物語
「さこそ世を捨つる御身といひながら...」
[訳]:いくら世を捨てた(出家した)お身の上とはいっても...