「たえて/絶えて」の意味・活用・使用例【副詞】
このテキストでは、古文単語「
たえて/絶えて」の意味、解説とその使用例を記している。
副詞
■意味1
(下に打消の語を伴って)
まったく〜(ない)、少しも〜(ない)。
[出典]:
渚の院 伊勢物語
「世の中に
たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」
[訳]:この世の中に、
全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょう。
■意味2
すっかり、きっぱり。
[出典]:夕顔 源氏物語
「さすがに、たえて思ほし忘れなんことも、いと言ふかひなくうかるべきことに思ひて...」
[訳]:そうはいってもやはり、すっかりお忘れになってしまうであろうことも、本当にどうしようもないほどつらいことと思って...