さいまくる
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
さいまくる」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「さきまくる」のイ音便。「さいまぐる」ともいう。
「さいまくる」には、
①ラ行四段活用
②ラ行下二段活用
の用法がある。
①ラ行四段活用
未然形 | さいまくら |
連用形 | さいまくり |
終止形 | さいまくる |
連体形 | さいまくる |
已然形 | さいまくれ |
命令形 | さいまくれ |
■意味:自動詞
先走る、口出しする。
[出典]:
にくきもの 枕草子
「また、物語するに、さしいでして、我ひとり
さいまくる者。」
[訳]:また、世間話をしているときに、でしゃばって、自分ひとり
口出しする者(はしゃくに障る)。
②ラ行下二段活用
未然形 | さいまくれ |
連用形 | さいまくれ |
終止形 | さいまくる |
連体形 | さいまくるる |
已然形 | さいまくるれ |
命令形 | さいまくれよ |
■意味:自動詞
先走る、口出しする。
[出典]:浜松中納言物語
「さかしら心の、際高く、さいまくれたるやうなる、返りてはうたてありや。」
[訳]:利口ぶった心が、一際はっきりとして、先走っているようなことは、かえって見苦しいものです。