このテキストでは、電流と電圧についてまとめてみます。
電流と回路
電流というのは、回路における電気の流れのことです。回路に流れる電流の量が多いほど電球は明るくなり、少ないほど暗くなります。
電流回路
電流回路というのは、電流が流れる道筋のことです。
電流は、正極(プラス)から負極(マイナス)に向かいますね。
この電流回路は配線図を使って表します。
直列回路と並列回路
電流回路に流れる電気の量を示す時には、アンペア(A)という単位を使います。
電流回路のつなぎかたは2つあります。
■直列回路
電球を直列につないだ回路で、電球の数が多くなると、それぞれの電球は暗くなります。
■並列回路
電球を並列につないだ回路で、電球の数にかかわらず、明るさは変わりません。
電圧とは
電圧というのは、回路に電気を流そうとする働きのことです。ボルト(V)という単位を使います。
直列回路の電圧は各抵抗の電圧を足したものとなります。
一方、並列回路の場合、各抵抗の両端の電圧はすべて等しくなります。
電流と電圧の関係とは?
電熱線に流れる電流の強さは、電圧に比例して強くなります。
また、この時、電流の流れにくさを電気抵抗といいます。電気抵抗はオーム(Ω)という単位を使います。
1オーム(Ω)は、1ボルト(V)の電圧で、1アンペア(A)の電流が流れるときの抵抗を表します。
オームの法則…電気抵抗の法則として、オームの法則があります。これは、電流の強さは、電圧に比例して、抵抗に反比例するというものです。
電流と発熱
電流を電熱線に流すと、発熱します。
この発熱は、電流と電圧が一定の時は時間に比例し、電圧と時間が一定の時は電流に比例し、電流と時間が一定の時には電圧に比例します。
発熱量〔J〕=電圧〔V〕×電流〔A〕×時間〔秒〕 この電流と発熱の法則をジュールの法則といいます。
また、直列回路は抵抗に比例し、並列回路は抵抗に反比例するという性質があります。
電力と電力量
ここでまた新しい単位が出てきました。電力です。
電力は、電圧と電流をかけたものです。単位はワット(W)、キロワット(kW)を使います。
電流の発熱量は電力に比例します。
電力量というのは、電力と時間をかけたものです。単位はワットアワー(Wh)を使います。
整理してみましょう。
電力〔W〕=電圧〔V〕×電流〔A〕 |
電力量〔Wh〕=電力〔W〕×時間〔h〕 |
電流と磁界
磁界というのは磁石が発する磁力というものが発せられる範囲のことです。
磁力と電気、一見関係なさそうですが、実は密接な関係があります。
磁界の向きはN極からS極になっています。この時、磁界の向きに沿って曲線が描けるのですが、これを磁力線といいます。
直流電流を流すと、その回りに磁界が生まれます。
この時、電流の流れる向きに対して、磁界は右回りに向くので、これを右ねじの法則といいます。
導線を筒状に丸めたものをコイルといいますが、コイルに生じる磁界の強さは電流の強さに比例して、強くなります。また、コイルに流れる電流の向きに、右手で握るしぐさをして、親指を立てると、その親指の方向が磁界の方向になります。
磁界の向きと電流と力の関係はフレミングの法則で知ることができます。
左手の中指、人さし指、親指を互いに直角にすると、中指が電流の向き、人さし指が磁界の向き、親指が力の向きを表します。中指から電・磁・力と覚えるといいでしょう。また、磁界の変化を妨げる向きには、誘導電流というものが生じます。
直流と交流
直流と交流の違いとは何でしょう。
直流とは電流の向きや強さが一定な電流のことです。
一方、交流とは、時間とともに、電流の向きや強さが変化する電流のことをいいます。
電子とは?
電子というのは、すべての原子の中に含まれている粒子のことです。
原子は、+の電気を帯びた原子核と、その周りを回る-の電気を帯びた電子からできています。
電子の動きと電流の動きは真逆です。
電子の流れる向き→-極から+極へ 電流の流れる向き→+極から-極へ