およそ/凡そ
このテキストでは、古文単語「
およそ/凡そ」の意味、解説とその使用例を記している。
副詞
■意味1
一般に、おしなべて、だいたい。
[出典]:
能登殿最期 平家物語
「鎧の草摺(くさず)りかなぐり捨て、胴ばかり着て、大童になり、大手を広げて立たれたり。
およそあたりを払つてぞ見えたりける。」
[訳]:鎧の草摺りを強く掴んで引っ張り捨て、胴(の武具)だけ着て、ざんばら髪になり、大手を広げて立っていらっしゃった。(その姿は)
おしなべて(周囲を)追いのけて(近寄りがたく)みえたのであった。
■意味2
(下に打消の語を伴って)
まったく、全然、少しも。
[出典]:
能登殿最期 平家物語
「
およそ能登守教経の矢先にまはる者こそなかりけれ。」
[訳]:
まったく能登守教経の矢の正面に立ち回る者はいなかった。