ひそかなり/密かなり/窃かなり/私かなり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
ひそかなり/密かなり/窃かなり/私かなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | ひそかなら | ◯ |
連用形 | ひそかなり | ひそかに |
終止形 | ひそかなり | ◯ |
連体形 | ひそかなる | ◯ |
已然形 | ひそかなれ | ◯ |
命令形 | ひそかなれ | ◯ |
■意味1
人に知られないようにこっそりと。
[出典]:
帰京 土佐日記
「かかるうちに、なほ悲しきに堪へずして、
ひそかに心知れる人と言へりける歌...」
[訳]:こうしているうちに、いっそうの悲しさに我慢できずに、
こっそりと(互い)の心を理解している人(妻のこと)と詠んだ歌 ...
■意味2
私物化するさま。
[出典]:南都牒状 平家物語
「ほしいままに国威をひそかにし、朝政を乱り」
[訳]:思いのままに国の権威を私物化し、朝廷の政治を乱し...