慳貪なり/けんどんなり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「
慳貪なり/けんどんなり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | けんどんなら | ◯ |
連用形 | けんどんなり | けんどんに |
終止形 | けんどんなり | ◯ |
連体形 | けんどんなる | ◯ |
已然形 | けんどんなれ | ◯ |
命令形 | けんどんなれ | ◯ |
■意味1
けちで欲深い、強欲である。
[出典]:
三文にて歯二つ 沙石集
「ある在家人の、
慳貪にして利養を先とし、事にふれて商ひ心のみありて、徳もありけるが...」
[訳]:ある在家の人で、
欲深くけちで私利私欲を優先し、何かにつけて商売のことばかり考え、財産もあったのが...
■意味2
無愛想だ、邪険だ、そつない。
[出典]:女殺油地獄 近松門左衛門
「言葉ではけんけんとけんどんに言うたれど...」
[訳]:言葉(の上)ではつんけんと邪険に言ったけれども...