いはむかたなし/言はむ方無し
連語
ハ行四段活用「いふ」の未然形「いは」、推量の助動詞「む」、名詞「かた」そしてク活用の形容詞「なし」が一語になったもの。ク活用の形容詞「いはむかたなし」とする場合もある。その場合の活用は以下の通り。
形容詞・ク活用
未然形 | いはむかたなく | いはむかたなから |
連用形 | いはむかたなく | いはむかたなかり |
終止形 | いはむかたなし | ◯ |
連体形 | いはむかたなき | いはむかたなかる |
已然形 | いはむかたなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | いはむかたなかれ |
■意味
どうしようもない、言いようもない、例えようがない。
[出典]:
留志長者のこと 宇治拾遺物語
「蔵ども皆開けて、かく宝ども皆人の取り合ひたる、あさましく、悲しさ、
いはむ方なし。」
[訳]:蔵をすべて開けて、このようにたくさんの宝を人々が奪い合ったのは、(長者にとって)驚きあきれることで、その悲しさは、
言いようのないものです。