はじめに
現代文も然り、古文も場面によって出てくる特別な言葉があります。
ここでは、勤務(地方勤務)のシーンでよく登場する単語を紹介したいと思います。
蔵人
「
くろうど」と読みます。
蔵人とは、天皇の身の回りの世話や、天皇の言葉を役人に伝えるなどの秘書的な役割を果たしていました。
源氏物語で、光源氏の親友/ライバルとして登場する
頭中将は、蔵人の責任者である蔵人頭と近衛府の次官である近衛中将を兼務した人物です。
宿直
「
とのゐ」と読みます
宿直とは、夜間に宮廷や貴族の家に宿泊して、夜間の警備や非常事態に備えている職のことを言います。現代でも勤務先に宿泊して、緊急の対応のために控えている人のことを宿直(しゅくちょく)と呼びます。
国司/郡司
国司や郡司は
地方の国の長官のことをいいます(
今で言う県知事ですね)。
国よりも群の方が小さい国です。
国司と同じ意味の言葉で「
受領」という言葉も使われますので覚えておきましょう。
国司に任命されることが名誉かと思いきや、菅原道真のように当時全く栄えていなかった太宰に左遷されてしまうような場合もあり、どこの長官になれたかによって心持ちは大きく異なったようです。
ちなみにこの大宰府の長官のことを「
帥」(そち)と言います。
随身
「
ずいじん」と読みます。
随身とは、貴族の身の警護を担当する職で、今のSPのようなものです。
先駆
「
さきがけ」と読みます。前駆とも書きます。
先駆とは、貴族が道を牛車などで通るときに、道にいる一般人をどかす役割です。