うちかづく/打ち被く
このテキストでは、古文単語「
うちかづく/打ち被く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「うちかづく/打ち被く」には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
①カ行四段活用
未然形 | うちかづか |
連用形 | うちかづき |
終止形 | うちかづく |
連体形 | うちかづく |
已然形 | うちかづけ |
命令形 | うちかづけ |
■意味:他動詞
頭にのせる、かぶる。
[出典]:
にくきもの 枕草子
「伊予簾など掛けたるに、
うちかづきて、さらさらと鳴らしたるも、いとにくし。」
[訳]:伊予の国産の簾(すだれ)などが掛けてあるのを、(くぐるときにそれを)
頭にのせて、さらさらと音をたてさせるのも、たいそうしゃくに障る。
②カ行下二段活用
未然形 | うちかづけ |
連用形 | うちかづけ |
終止形 | うちかづく |
連体形 | うちかづくる |
已然形 | うちかづくれ |
命令形 | うちかづけよ |
■意味:他動詞
(褒美として衣服を)
肩にのせ与える、肩にかける。
[出典]:竹河 枕草子
「侍従は、あるじの君にうちかづけて往ぬ。」
[訳]:侍従は、(着物をこの家の)主人の君の肩にかけて帰っていく。