もよほす/催す
サ行四段活用
未然形 | もよほさ |
連用形 | もよほし |
終止形 | もよほす |
連体形 | もよほす |
已然形 | もよほせ |
命令形 | もよほせ |
■意味1:他動詞
せきたてる、促す、催促する。
[出典]:二月五日 土佐日記
「『船とく漕げ。日のよきに。』ともよほせば...」
[訳]:「船を速く漕げ。天気がよいので。」と催促すると...
■意味2:他動詞
引き起こす、誘う。
[出典]:
世に従はん人は 徒然草
「春はやがて夏の気を
もよほし、夏より既に秋は通ひ...」
[訳]:春はそのまま夏の気配を
誘い、夏の間からももう秋(の気配)が通いだし...
■意味3:他動詞
人々を呼び集める、招集する。
[出典]:
最後の除目 大鏡
「車に装束せよ。御前も
よほせ。」
[訳]:牛車の支度をしなさい。先導する者を
呼び集めなさい。
■意味4:他動詞
行う、挙行する。
[出典]:をりふしの移り変わるこそ 徒然草
「公事どもしげく、春の急ぎにとり重ねてもよほしおこなはるるさまぞ...」
[訳]:(十二月は)宮中の行事も絶え間なく、新年を迎える準備に加えて行われる様子は...
■意味5:他動詞
計画する、準備して待つ、用意する。
[出典]:雨月物語
「絹あまた買ひ積みて、京に行く日をもよほしける。」
[訳]:絹をたくさん買い集めて、都へ(売りに)行く日を計画していた。