とがむ/咎む
このテキストでは、マ行下二段活用の動詞「
とがむ/咎む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
マ行下二段活用
未然形 | とがめ |
連用形 | とがめ |
終止形 | とがむ |
連体形 | とがむる |
已然形 | とがむれ |
命令形 | とがめよ |
■意味1:他動詞
非難する、責める。
[出典]:
いみじき成敗 沙石集
「心曲がれるは、冥
とがめて、財を失ふ。」
[訳]:心の邪悪な者は、神仏が
責めて、財産を失う。
■意味2:他動詞
気にかける、注意を向ける、怪しむ、心にとめる。
[出典]:
白波・黒鳥のもとに 土佐日記
「この言葉、なにとはなけれども、もの言ふやうにぞ聞こへたる。人の程に合はねば、
とがむるなり。」
[訳]:この言葉は、なんともないのだけれど、気の利いたことを言うように聞こえる。(表現の仕方がかじ取りという)身分に似合わないので、
気にかけるのである。
■意味3:他動詞
(不審に思って)
尋問する、問いただす。
[出典]:似げなきもの 枕草子
「『嫌疑の者やある』ととがむ。」
[訳]:「不審な者はいるか」と問いただす。