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古文単語「ことなし/事無し」の意味・解説【形容詞ク活用】

著者名: 走るメロス
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ことなし/事無し

このテキストでは、ク活用の形容詞「ことなし/事無し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形ことなくことなから
連用形ことなくことなかり
終止形ことなし
連体形ことなきことなかる
已然形ことなけれ
命令形ことなかれ


意味1

特別なことがない、平穏無事である、何の障りもない

[出典]小野篁、広才のこと宇治拾遺物語
「...とよみたりければ、帝ほほ笑ませ給ひて、事なくてやみにけり。」

[訳]:...と(小野篁が)読んだところ、帝は微笑まれて、平穏無事に(この件は)済んだのでした。


意味2

容易である、やさしい、面倒なことがない

[出典]今日はそのことをなさんと思へど 徒然草
「煩はしかりつる事はことなくて、易かるべき事はいと心苦し。」

[訳]:面倒だと思っていたことが(意外と)容易で、簡単なはずのことは(うまくいかず)とてもつらい。




意味3

欠点がない、悪いところがない、非の打ち所がない

[出典]:万葉集
「大君の御笠に縫へる有間菅ありつつ見れど事なき吾妹」

[訳]:大君の御笠に縫いあげる有間菅のようにずっと見続けていても非の打ち所のない吾が妻よ

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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