「いたし/甚し」」の意味・活用・使用例【形容詞ク活用】
このテキストでは、ク活用の形容詞「
いたし/甚し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | いたく | いたから |
連用形 | いたく | いたかり |
終止形 | いたし | ◯ |
連体形 | いたき | いたかる |
已然形 | いたけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | いたかれ |
■意味1
並々でない、激しい、ひどい。
[出典]:
百人一首
「風を
いたみ岩うつ波のおのれのみ砕けてものを思ふころかな」
[訳]:風が
激しいので、岩を打つ波が(岩は砕くことはできず)自身のみ砕けるように、(相手の心は冷たく動きもせず、私の心のみ)砕けて物思いをするこのごろです。
■意味2
立派である。すばらしい、はなはだしくすぐれている。
[出典]:明石 源氏物語
「造れるさま木深く、いたきところまさりて...」
[訳]:(明石入道の家の)造りは木建てが深く、(光源氏が滞在している館よりも)素晴らしい点が多く...