かしこし/畏し/恐し
このテキストでは、ク活用の形容詞「
かしこし/畏し/恐し」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容詞・ク活用
未然形 | かしこく | かしこから |
連用形 | かしこく | かしこかり |
終止形 | かしこし | ◯ |
連体形 | かしこき | かしこかる |
已然形 | かしこけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | かしこかれ |
「かしこし」には
・
賢し
・畏し/恐し
の用法があり、意味が異なる。ここでは「畏し/恐し」の解説を行う。
※参照:
かしこし/賢しの解説
■意味1
恐ろしい。
[出典]:万葉集
「玉求むらし沖つ波
かしこき海に舟出せり
見ゆ」
[訳]:(海人が)真珠を求め探すらしいが沖の波の
恐ろしい海に舟を出しているのが見える。
■意味2
恐れ多い、もったいない。
[出典]:
徒然草 兼好法師
「帝の御位はいとも
かしこし。」
[訳]:帝のお位はたいそう
恐れ多いものです。
■意味3
ありがたい、尊い、血筋や身分などが優れている。
[出典]:源氏物語 紫式部
「北山になむ、なにがし寺といふ所に、かしこき行ひ人はべる。」
[訳]:北山に、なんとか寺という所に、尊い修験者がおります。
※参照:
かしこし/賢しの解説