「のぼる/上る/登る/昇る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用】
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
のぼる/上る/登る/昇る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | のぼら |
連用形 | のぼり |
終止形 | のぼる |
連体形 | のぼる |
已然形 | のぼれ |
命令形 | のぼれ |
■意味1:他動詞
(低い所から高いところへ)
上がる、登る。
[出典]:布引の滝 伊勢物語
「いざ、この山かみにありといふ布引の滝見にのぼらむ。」
[訳]:さあ、この山の上にあるという布引の滝を見に登ろう。
■意味2:他動詞
(時代や川の上流へ)
さかのぼる、川上へ向かう。
[出典]:二月七日 土佐日記
「舟の上ること、いと難し。」
[訳]:(水位が低いので)舟で川上へ向かうことが、難しい。
■意味3:他動詞
都へ行く、上京する。
[出典]:
門出・東路の道の果て 更級日記
「十三になる年、
上らむとて、九月(ながつき)三日門出して、いまたちといふ所に移る。 」
[訳]:十三歳になる年に、
上京しようということで、九月三日に門出(の儀式)をして、いまたちという場所に移動する。
■意味4:他動詞
(宮中や貴族のもとに)
参上する。
[出典]:うれしきもの 枕草子
「 今のぼりたるは、少しとをき柱もとなどにゐたるを...」
[訳]:今参上したばかりの人は、少し遠い柱の側などに座っているので...
■意味5:他動詞
(高い官職に)
昇進する、就く。
[出典]:桐壷 源氏物語
「帝王の上なき位にのぼるべき相おはします人の..」
[訳]:帝王というこの上ない位に就くべき相をお持ちな方ですが...