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古文単語「たけし/猛し」の意味・解説【形容詞ク活用】

著者名: 走るメロス
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たけし/猛し

このテキストでは、ク活用の形容詞「たけし/猛し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形たけくたけから
連用形たけくたけかり
終止形たけし
連体形たけきたけかる
已然形たけけれ
命令形たけかれ


意味1

勇ましい、力強い、荒々しい

[出典]:仮名序 古今和歌集
たけき武士の心をも慰むるは歌なり。」

[訳]勇ましい武士の心をもなごやかにするのは和歌である。


意味2

勢いが盛んである

[出典]祇園精舎 平家物語
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。」

[訳]勢いが盛んな者も結局は滅亡してしまった。まったく(さらされて散っていく)風の前の塵と同じである。




意味3

強気である、気丈である

[出典]:蓬生 源氏物語
「かかる御ありさまにてたけく世を思し...」

[訳]:このようなご様子でいながら、強気に世間のことをお思いになり...


意味4

優れている、立派である

[出典]:若菜上 源氏物語
「わが宿世はいとたけくぞおぼえたまひける。」

[訳]:自分の人生はまったく立派なものだとお思いになりました。




意味5

精一杯できる、やっとできる

※この用法の場合、「たけきこと」の形で用いられる。
[出典]:手習 源氏物語
「ただ硯に向かひて、思ひ余る折は、手習ひをのみたけきことにて書き付けたまふ。」

[訳]:ただ硯に向かって、思い悩むときには、思いの向くままに書くことを精一杯できることとして書きつけていらっしゃいます。

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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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