くだる/下る/降る
ラ行四段活用
未然形 | くだら |
連用形 | くだり |
終止形 | くだる |
連体形 | くだる |
已然形 | くだれ |
命令形 | くだれ |
■意味1:自動詞
(高いところから低いところへ)行く、雨などが降る、川下へ向かう。
[出典]:蜻蛉日記
「今日は廿七日、雨昨日の夕べよりくだり...」
[訳]:今日は二十七日、雨が昨日の夕方から降り...
■意味2:自動詞
(都から地方へ)行く、下向する。
[出典]:
羽根 土佐日記
「
下りし時の人の数足らねば...」
[訳]:(京都から土佐に)
行ったときの人数が(土佐から京都に戻るときには娘が亡くなったために減ってしまい)足りないので...
■意味3:自動詞
(目上の者から)命令が言い渡される、品物が与えられる。
[出典]:若菜上 源氏物語
「御土器くだり、若菜の御羹(あつもの)参る。」
[訳]:お杯が与えられ、(光源氏も)春菜で作ったお吸い物を召し上がる。
■意味4:自動詞
時が過ぎる、時代が移る。
[出典]:増鏡 新島守
「まして、世下りて後、唐土にも日の本にも...」
[訳]:いうまでもなく、時代が移ったあと、唐にも日本にも...
■意味5:自動詞
(家柄や品位が)劣る、落ちぶれる。
[出典]:徒然草
「品くだり、見にくく、年も長けなん男は...」
[訳]:(妻よりも家柄などが)劣り、醜く、年もとっているような男は...
■意味6:自動詞
降伏する、降参する。
[出典]:徒然草
「兵尽き、矢きはまりて、つひに敵にくだらず...」
[訳]:武器がなくなり、矢が尽きても、最後まで降伏せず...
■意味7:自動詞
謙遜する、へりくだる。
[出典]:吉備津の釜 雨月物語
「大人のくだり給ふこと、甚だし。」
[訳]:あなたが謙遜しなさることは、度が過ぎます。