つむ/摘む/抓む
このテキストでは、古文単語「
つむ/摘む/抓む」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
「つむ」には、
①摘む/抓む
②積む
③集む
などの用法があるが、ここでは「①摘む/抓む」を扱う。
マ行四段活用
未然形 | つま |
連用形 | つみ |
終止形 | つむ |
連体形 | つむ |
已然形 | つめ |
命令形 | つめ |
■意味1:他動詞
指でつまむ。
[出典]:万葉集
「母の命は御裳の裾つみ上げかきなで...」
[訳]:母上は着物の裾をつまみあげ(私を)なでて...
■意味2:他動詞
つねる。
[出典]:万葉集
「万代と心は解けてわが背子が摘みし手見つつ忍びかねつも」
[訳]:永遠にと、心を打ち解けたあなたがつねった手を見ていると、(あなたが恋しくて)耐え難くなります。
■意味3:他動詞
植物をつみとる。
[出典]:
百人一首 光孝天皇
「君がため春の野に出でて若菜
つむわが衣手に雪は降りつつ」
[訳]:あなたのために(差し上げようと)、春の野原に出て若菜を
摘む私の袖に、雪が降り続いていることですよ。