「をし」の意味・使用例
このテキストでは、古文単語「をし」の意味、解説とその使用例を記している。
「をし」には
①
惜し(シク活用の形容詞)
②
愛し(シク活用の形容詞)
③鴛鴦(名詞)
④をし(感動詞)
などの用法がある。
惜し(シク活用の形容詞)
■意味
もったいない、名残惜しい、失いたくない、大切で手放しにくい。
[出典]:
留志長者のこと 宇治拾遺物語
「我、山にて物惜しむ神をまつりたるしるしにや、その神離れて、物の
惜しからねば、かくするぞ。」
[訳]:私は、山で物をもったいないと思う神をまつった霊験だろうか、その神が離れて、(もはや)物を
惜しいとは思わないので、このようにするのだ。
愛し(シク活用の形容詞)
■意味
いとおしい、いとしい、愛さずにはいられない。
[出典]:
百人一首 後鳥羽院
「人も
をし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は」
[訳]:人が
いとしくも、人が恨めしくも思われることだ。(この世を)つまらないと思うがために、思い悩んでいるのだよ私は。
鴛鴦(名詞)
■意味
おしどり。水鳥の名。
※「惜し」、「愛し」との掛詞で和歌に詠まれることもある。
をし(感動詞)
※「おし」に同じ。