微分係数とは
ここでは、これまで学習してきた
平均変化率、そして
極限値を使って、
微分係数について考えていきます。
「微分係数!?」またまた難しそうな言葉ですね。教科書では、微分係数は次のように求めると書いてあります。
しかしこれだけだとわかりにくいですよね。
そこで、微分係数を理解するためにまず、「
微分係数とは接線の傾きのことである」と考えましょう。理由はこれから説明します。
問題を一緒に解きながらのほうが説明しやすいので、次の問題を使って考えていきます。
問題
"f(x)=x²"として、x=1のときの微分係数を求めなさい。
まず、"y=x²"として、この関数のグラフをかいてみます。
x=1のとき、この点のy座標は"f(1)"となります。この点をAとしましょう。また、x=1+hのとき、この点のy座標は"f(1+h)"となります。この点をBとしましょう。
まずはじめに、点AB間の
平均変化率を求めます。つまり直線ABの傾きですね。
直線の傾きは次のようになります。
ここまではいいですね。
次に、点Bの位置を、限りなくAに近づけていきます。想像してください。
すると最終的に、
直線は点Aの接線となることがわかります。また、点Bが点Aに近づくということは、"
hの値が限りなく0に近づく"ことを意味します。
以上のことをふまえると、点Aの接線の傾きは、
直線ABの傾きを限りなく点Aの接線の傾きに近づけたものに等しくなります。この値のことを
微分係数といい、
f'(x)で表します。
今回の問題では、
これを、次の条件で表したものが、教科書に載っている公式です。
y=f(x)について、"x=a"のときの微分係数は、