『博雅の三位と鬼の笛』
このテキストでは、
十訓抄の一説『
博雅(はくが)の三位(さんみ)と鬼の笛』の品詞分解を記しています。
※現代語訳:
十訓抄『博雅の三位と鬼の笛』の現代語訳と解説
※十訓抄は鎌倉中期の説話集です。編者は未詳です。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■博雅の三位、月の明かかりける夜、直衣にて、朱雀門の前に遊びて、夜もすがら笛を吹かれけるに、同じさまに、直衣着たる男の、笛吹きければ、
博雅 | ー |
の | 格助詞 |
三位、 | ー |
月 | ー |
の | 格助詞 |
明かかり | 形容詞・ク活用・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
夜、 | ー |
直衣 | ー |
にて、 | 格助詞 |
朱雀門 | ー |
の | 格助詞 |
前 | ー |
に | 格助詞 |
遊び | バ行四段活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
夜もすがら | 副詞 |
笛 | ー |
を | 格助詞 |
吹か | カ行四段活用・未然形 |
れ | 尊敬の助動詞・連体形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
に、 | 格助詞 |
同じ | 形容詞・シク活用・連体形 |
さま | ー |
に、 | 格助詞 |
直衣 | ー |
着 | カ行上一段活用・連用形 |
たる | 存続の助動詞・連体形 |
男 | ー |
の、 | 格助詞 |
笛 | ー |
吹き | カ行四段活用・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
■誰ならむと思ふほどに、その笛の音、この世にたぐひなくめでたく聞こえければ、あやしくて、近寄りて見ければ、いまだ見ぬ人なりけり。
誰 | ー |
なら | 断定の助動詞・未然形 |
む | 推量の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用・連体形 |
ほど | ー |
に、 | 接続助詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
笛 | ー |
の | 格助詞 |
音、 | ー |
この世 | ー |
に | 格助詞 |
たぐひなく | 形容詞・ク活用・連用形 |
めでたく | 形容詞・ク活用・連用形 |
聞こえ | ア行下二段活用・連用形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
あやしく | 形容詞・シク活用・連用形 |
て、 | 接続助詞 |
近寄り | ラ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
見 | マ行上一段活用・未然形 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
いまだ | 副詞 |
見 | マ行上一段活用・未然形 |
ぬ | 打消しの助動詞・連体形 |
人 | ー |
なり | 断定の助動詞・連用形 |
けり。 | 過去の助動詞・終止形 |
■我もものをも言はず、かれも言ふことなし。かくのごとく、月の夜ごとに行きあひて吹くこと、夜ごろになりぬ。
我 | 代名詞 |
も | 係助詞 |
もの | ー |
を | 格助詞 |
も | 係助詞 |
言は | ハ行四段活用・未然形 |
ず、 | 打消の助動詞・連用形 |
かれ | 代名詞 |
も | 係助詞 |
言ふ | ハ行四段活用・連体形 |
こと | ー |
なし。 | 形容詞・シク活用・終止形 |
かく | 副詞 |
の | 格助詞 |
ごとく、 | 比況の助動詞・連用形 |
月 | ー |
の | 格助詞 |
夜ごと | ー |
に | 格助詞 |
行きあひ | ハ行四段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
吹く | カ行四段活用・連体形 |
こと、 | ー |
夜ごろ | ー |
に | 接続助詞 |
なり | ラ行四段活用・連用形 |
ぬ。 | 完了の助動詞・終止形 |