共役な複素数の性質
ここでは複素数の割り算についてみていきましょう。
複素数の割り算を理解するためには、
共役な複素数とその性質を理解しておく必要があります。
ここに2つの複素数"a+bi"と"a−bi"があります。この2つの複素数は互いに
共役な複素数ですが、"α=a+bi"としたときにαの共役な複素数"a−bi"は、
と表すことができます。そしてこのとき、
共役な複素数の和と積は必ず実数となります。
例えば2つの共役な複素数"1+2i"と"1−2i" の和と積を求めてみましょう。
和:(1+2i)+(1−2i)=2
積:(1+2i)×(1−2i)=1−4i²=1+4=5
複素数の割り算では、この性質のうち、積の性質を利用します。
複素数の除法
練習問題をみながら複素数の割り算について説明していきましょう。
複素数の割り算をするとき、
分母に"i"が残らないように計算をしなくてはなりません。これは、ルートが分母に入った式の
有理化と同じ考え方です。
ではどうやるかというと、
分母の複素数の共役な複素数を、分母と分子にかける。こうすることで、分母は共役な複素数の積となり、複素数が残らなくなります。(先ほどみてきた性質ですね)
今回の式の分母は"2+i"なので、これの共役な複素数"2−i"を分子と分母にかけてみましょう。
複素数の割り算は、このように解いていきます。
分母の共役な複素数を、分子と分母にかけて計算をする