平家物語『木曽の最期』の品詞分解(7/8)
このテキストでは、
平家物語の一説「
木曾最期」の「
今井四郎只一騎、五十騎ばかりが中へ駆け入り~」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては「木曾最期/木曽最期」などと題するものもあります。
前回のテキスト
「君はあの松原へ入らせたまへ~」の品詞分解
現代語訳
「今井四郎只一騎、五十騎ばかりが中へ駆け入り~」の現代語訳
平家物語
「
祇園精舎の鐘の声〜」で始まる一節で広く知られている
平家物語は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物語です。平家の盛者必衰、武士の台頭などが描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■今井四郎只一騎、五十騎ばかりが中へ駆け入り、鐙踏ん張り立ち上がり、大音声あげて名乗りけるは
| 今井四郎 | ー |
| ただ | 副詞 |
| 一騎、 | ー |
| 五十騎 | ー |
| ばかり | 副助詞 |
| が | 格助詞 |
| 中 | ー |
| へ | 格助詞 |
| 駆け入り、 | ラ行四段活用・連用形 |
| 鐙 | ー |
| 踏んばり | ラ行四段活用・連用形 |
| 立ち上がり、 | ラ行四段活用・連用形 |
| 大音声 | ー |
| あげ | ガ行下二段活用・連用形 |
| て | 接続助詞 |
| 名のり | ラ行四段活用・連用形 |
| ける | 過去の助動詞・連体形 |
| は、 | 係助詞 |
■「日頃は音にも聞きつらん、今は目にも見給へ。木曽殿の御乳母子、今井四郎兼平、生年三十三にまかりなる。さる者ありとは鎌倉殿までも知ろし召されたるらんぞ。兼平討つて見参に入れよ。」
| 「日ごろ | ー |
| は | 係助詞 |
| 音 | ー |
| に | 格助詞 |
| も | 係助詞 |
| 聞き | カ行四段活用・連用形 |
| つ | 強意の助動詞・終止形 |
| らん、 | 現在推量の助動詞・終止形 |
| 今 | ー |
| は | 係助詞 |
| 目 | ー |
| に | 格助詞 |
| も | 係助詞 |
| 見 | マ行上一段活用・連用形 |
| たまへ。 | 補助動詞・ハ行四段活用・命令形・尊敬語 |
| 木曾殿 | ー |
| の | 格助詞 |
| 御乳母子、 | ー |
| 今井四郎兼平、 | ー |
| 生年 | ー |
| 三十三 | ー |
| に | 格助詞 |
| まかりなる。 | ラ行四段活用・終止形・謙譲語 |
| さる | 連体詞 |
| 者 | ー |
| あり | ラ行変格活用・終止形 |
| と | 格助詞 |
| は | 係助詞 |
| 鎌倉殿 | ー |
| まで | 副助詞 |
| も | 係助詞 |
| 知ろし召さ | サ行四段活用・未然形・尊敬語 |
| れ | 尊敬の助動詞・連用形 |
| たる | 存続の助動詞・連体形 |
| らん | 現在推量の助動詞・連体形 |
| ぞ。 | 終助詞 |
| 兼平 | ー |
| 討つ | タ行四段活用・連用形の促音便 |
| て | 接続助詞 |
| 見参 | ー |
| に | 格助詞 |
| 入れよ。」 | ラ行下二段活用・命令形 |
■とて、射残したる八筋の矢を、差し詰め引き詰め散々に射る。
| とて、 | 格助詞 |
| 射残し | サ行四段活用・連用形 |
| たる | 存続の助動詞・連体形 |
| 八筋 | ー |
| の | 格助詞 |
| 矢 | ー |
| を、 | 格助詞 |
| 差しつめ | マ行下二段活用・連用形 |
| 引きつめ、 | マ行下二段活用・連用形 |
| さんざんに | 形容動詞・ナリ活用・連用形 |
| 射る。 | ヤ行上一段活用・終止形 |