平家物語「木曽の最期」の品詞分解(6/8)
このテキストでは、
平家物語の一節『
木曽の最期』の「
君はあの松原へ入らせたまへ~」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては「
木曾最期/木曽最期」とするものもあるようです。
※前回のテキスト:
「今井四郎、木曽殿、主従二騎になってのたまひけるは~」の品詞分解
※現代語訳:
「今井四郎、木曽殿、主従二騎になってのたまひけるは~」の現代語訳と解説
平家物語とは
「
祇園精舎の鐘の声〜」で始まる一節で広く知られている
平家物語は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物語です。平家の盛者必衰、武士の台頭などが描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■「君はあの松原へ入らせたまへ。兼平はこの敵防き候はん。」と申しければ、木曾殿のたまひけるは、
「君 | ー |
は | 係助詞 |
あ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
松原 | ー |
へ | 格助詞 |
入ら | ラ行四段活用・未然形 |
せ | 尊敬の助動詞・連用形 |
たまへ。 | 補助動詞・ハ行四段活用・命令形・尊敬語 |
兼平 | ー |
は | 係助詞 |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
敵 | ー |
防き | カ行四段活用・連用形 |
候は | 補助動詞・ハ行四段活用・未然形・丁寧語 |
ん。」 | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
申し | サ行四段活用・連用形・謙譲語 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
木曾殿 | ー |
のたまひ | ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
は、 | 係助詞 |
■「義仲、都にていかにもなるべかりつるが、これまで逃れ来るは、汝と一所で死なんと思ふためなり。所々で討たれんよりも、一所でこそ討死をもせめ。」
「義仲、 | ー |
都 | ー |
にて | 格助詞 |
いかに | 副詞 |
も | 係助詞 |
なる | ラ行四段活用・終止形 |
べかり | 意志の助動詞「べし」の連用形 |
つる | 完了の助動詞「つ」の連体形 |
が、 | 接続助詞 |
これ | 代名詞 |
まで | 副助詞 |
逃れ来る | カ行変格活用・連体形 |
は、 | 係助詞 |
汝 | 代名詞 |
と | 格助詞 |
一所 | ー |
で | 格助詞 |
死な | ナ行変格活用・未然形 |
ん | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用・連体形 |
ため | ー |
なり。 | 断定の助動詞・終止形 |
所々 | ー |
で | 格助詞 |
討た | タ行四段活用・未然形 |
れ | 受身の助動詞・未然形 |
ん | 婉曲の助動詞・連体形 |
より | 格助詞 |
も、 | 係助詞 |
一所 | ー |
で | 格助詞 |
こそ | 係助詞 |
討死 | ー |
を | 格助詞 |
も | 係助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
め。」 | 意志の助動詞・已然形 |
■とて、馬の鼻を並べて駆けんとしたまへば、今井四郎、馬より飛び降り、主の馬の口に取りついて申しけるは、
とて、 | 格助詞 |
馬 | ー |
の | 格助詞 |
鼻 | ー |
を | 格助詞 |
並べ | バ行下二段活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
駆け | カ行下二段活用・未然形 |
ん | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
し | サ行変格活用・連用形 |
たまへ | 補助動詞・ハ行四段活用・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
今井四郎、 | ー |
馬 | ー |
より | 格助詞 |
飛び降り、 | ラ行上二段活用・連用形 |
主 | ー |
の | 格助詞 |
馬 | ー |
の | 格助詞 |
口 | ー |
に | 格助詞 |
取りつい | カ行四段活用・連用形のイ音便 |
て | 接続助詞 |
申し | サ行四段活用・連用形・謙譲語 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
は、 | 係助詞 |