平家物語『木曽の最期』の品詞分解(4/8)
このテキストでは、
平家物語の一節『
木曽の最期』の「
木曾殿、『おのれは、とうとう、女なれば、いづちへもゆけ。~』」から始まる部分の品詞分解を記しています。書籍によっては「
木曾最期/
木曽最期」とするものもあるようです。
前回のテキスト
「木曾左馬頭、その日の装束には~」の品詞分解
現代語訳
「木曽殿、「『おのれは疾う疾う女なれば~』」の現代語訳と解説
平家物語とは
「
祇園精舎の鐘の声〜」で始まる一節で広く知られている
平家物語は、鎌倉時代に成立したとされる軍記物語です。平家の盛者必衰、武士の台頭などが描かれています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■木曾殿、「おのれは、とうとう、女なれば、いづちへもゆけ。我は打死せんと思ふなり。もし人手にかからば自害をせんずれば、木曾殿の最後のいくさに、女を具せられたりけりなんど、いはれん事もしかるべからず。」
木曾殿、 | ー |
「おのれ | 代名詞 |
は | 係助詞 |
疾う疾う、 | 副詞 |
女 | ー |
なれ | 断定の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
いづち | 代名詞 |
へ | 格助詞 |
も | 係助詞 |
行け。 | カ行四段活用・命令形 |
我 | 代名詞 |
は | 係助詞 |
討死 | ー |
せ | サ行変格活用・未然形 |
ん | 意志の助動詞・終止形 |
と | 格助詞 |
思ふ | ハ行四段活用・連体形 |
なり。 | 断定の助動詞・終止形 |
もし | 副詞 |
人手 | ー |
に | 格助詞 |
かから | ラ行四段活用・未然形 |
ば | 接続助詞 |
自害 | ー |
を | 格助詞 |
せ | サ行変格活用・未然形 |
んずれ | 意志の助動詞・已然形 |
ば、 | 接続助詞 |
『木曾殿 | ー |
の、 | 格助詞 |
最後 | ー |
の | 格助詞 |
いくさ | ー |
に、 | 格助詞 |
女 | ー |
を | 格助詞 |
具せ | サ行変格活用・未然形 |
られ | 尊敬の助動詞・連用形 |
たり | 存続の助動詞・連用形 |
けり。』 | 過去の助動詞・終止形 |
なんど | 副助詞 |
言は | ハ行四段活用・未然形 |
れ | 受身の助動詞・未然形 |
ん | 婉曲の助動詞・連体形 |
こと | ー |
も | 係助詞 |
しかる | ラ行変格活用・連体形 |
べから | 当然の助動詞・未然形 |
ず。」 | 打消の助動詞・終止形 |
■と宣ひけれども、なほおちもゆかざりけるが、あまりに言はれ奉つて、「あっぱれ、よからうかたきがな。最後のいくさして見せ奉らん。」とて、控へたるところに、
と | 格助詞 |
のたまひ | ハ行四段活用・連用形・尊敬語 |
けれ | 過去の助動詞・已然形 |
ども、 | 接続助詞 |
なほ | 副詞 |
落ち | タ行上二段活用・連用形 |
も | 係助詞 |
行か | カ行四段活用・連用形 |
ざり | 打消の助動詞・連用形 |
ける | 過去の助動詞・連体形 |
が、 | 接続助詞 |
あまりに | 副詞 |
言は | ハ行四段活用・未然形 |
れ | 受身の助動詞・連用形 |
奉り | 補助動詞・ラ行四段活用・連用形の促音便 |
て、 | 接続助詞 |
「あつぱれ、 | 感動詞 |
よから | 形容詞・ク活用・未然形 |
う | 婉曲の助動詞・連体形 |
敵 | ー |
がな。 | 終助詞 |
最後 | ー |
の | 格助詞 |
いくさ | ー |
し | サ行変格活用・連用形 |
て | 接続助詞 |
見せ | サ行下二段活用・連用形 |
奉ら | 謙譲の補助動詞・ラ行四段活用・未然形 |
ん。」 | 意志の助動詞・終止形 |
とて、 | 格助詞 |
控へ | ハ行下二段活用・連用形 |
たる | 存続の助動詞・連体形 |
ところ | ー |
に、 | 格助詞 |