伊勢物語『たのむの雁』
このテキストでは、
伊勢物語の第10段『
たのむの雁』(むかし、男、武蔵の国までまどひ歩きけり。さて、その国にある女をよばひけり〜)の品詞分解を記しています。
※伊勢物語は平安時代初期に書かれた歌物語です。作者は未詳ですが、
在原業平がモデルではないかと言われています。
品詞分解
※名詞は省略しています。
■むかし、男、武蔵の国までまどひ歩きけり。さてその国にある女をよばひけり。
むかし、 | ー |
男、 | ー |
武蔵の国 | ー |
まで | 副助詞 |
まどひ歩き | カ行四段活用「まどひありく」の連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
さて、 | 接続詞 |
そ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
国 | ー |
に | 格助詞 |
ある | ラ行変格活用「あり」の連体形 |
女 | ー |
を | 格助詞 |
よばひ | ハ行四段活用「よばふ」の連用形 |
けり。 | 過去の助動詞「けり」の終止形 |
■父はこと人にあはせむといひけるを、母なむあてなる人に心つけたりける。父はなほ人にて、母なむ藤原なりける。
父 | ー |
は | 格助詞 |
こと人 | ー |
に | 格助詞 |
あはせ | サ行下二段活用「あはす」の未然形 |
む | 意志の助動詞「む」の終止形 |
と | 格助詞 |
いひ | ハ行四段活用「いふ」の連用形 |
ける | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
を、 | 接続助詞 |
母 | ー |
なむ | 係助詞(係り結び) |
あてなる | 形容動詞「あてなり」の連体形 |
人 | ー |
に | 格助詞 |
心 | ー |
つけ | カ行下二段活用「つく」の連用形 |
たり | 完了の助動詞「たり」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形(係り結び) |
父 | ー |
は | 係助詞 |
なほ人 | ー |
に | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
て、 | 接続助詞 |
母 | ー |
なむ | 係助詞(係り結び) |
藤原 | ー |
なり | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形(係り結び) |
■さてなむあてなる人にと思ひける。このむこがねによみておこせたりける。すむ所なむ入間の郡、みよしのの里なりける。
さて | 接続詞 |
なむ | 係助詞(係り結び) |
あてなる | 形容動詞「あてなり」の連体形 |
人 | ー |
に | 格助詞 |
と | 格助詞 |
思ひ | ハ行四段活用「おもふ」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形(係り結び) |
こ | 代名詞 |
の | 格助詞 |
むこがね | ー |
に | 格助詞 |
よみ | マ行四段活用「よむ」の連用形 |
て | 接続助詞 |
おこせ | サ行下二段活用「おこす」の連用形 |
たり | 完了の助動詞「たり」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形 |
住む | マ行四段活用「すむ」の連体形 |
所 | ー |
なむ | 係助詞(係り結び) |
入間の郡、 | ー |
みよし野の里 | ー |
なり | 断定の助動詞「なり」の連用形 |
ける。 | 過去の助動詞「けり」の連体形(係り結び) |