はじめに
鎌倉幕府は、朝廷から独立した
初めての武家政権です。
(平氏政権では朝廷と共存していた)
以前は源頼朝が征夷大将軍に任命された1192年に幕府が設立されたというのが定説でしたが、実際には征夷大将軍になる前から実質的な支配がなされていたということで
1185年に幕府が始まったとするのが定説です。(いろんな説があります)
ここでは、鎌倉幕府によって設置された役職について詳しくみていきたいと思います。
執権と連署
■執権
鎌倉幕府において、将軍を支えたのは
執権でした。
この役職には代々
北条氏が就任し権勢を振るっていました。
源頼朝の奥さんであった
北条政子は、初代執権
北条時政の娘です。
3代将軍で源の血筋が耐えてからは、実質この執権がトップとして幕府に君臨していました。
■連署
連署とは執権の補佐役のことです。
執権1人がトップダウンで物事を決めるのではなく、連署と合議して決定するという姿勢を見せようとするために設置されたと言われています。
連署は初期の幕府には存在しなかった役職ですが、承久の乱の後設置がされました。
9つの独立した役職
執権と連署の下に、9つの独立した役職が存在していました。
表にまとめてチェックしましょう。
侍所 | 御家人の統率、軍事や警察の役割を果たす |
政所 | 一般政務を担当 |
問注所 | 訴訟や裁判の担当 |
評定衆 | 司法・行政・立法の管轄。下に引付衆がある |
京都守護 | 京での治安の取締や朝廷とのやりとりを担当。後に六波羅探題に改称 |
鎮西奉行 | 九州の御家人の統率の役割。元冦後に鎮西探題に改称 |
奥州総奉行 | 奥州の御家人の統率の役割 |
守護 | 国単位で設置された。治安維持の任務を果たす |
地頭 | 荘園や公領、平家から没収した土地を管理。守護が兼務することもあった |
最後に
鎌倉幕府以降、室町幕府/江戸幕府と武家政権が続いて行きますが、鎌倉幕府が幕府としての大枠を作ったのは間違いないでしょう。