鎌倉文化とは
鎌倉文化は、平安時代の国風文化を基盤としながら、新興の武士や農民層の価値観が付け加えられて成立した文化です。
鎌倉文化の特色は次のようなものでした。
庶民性
武家の文化
宋や元などの大陸文化の影響
鎌倉仏教の誕生
鎌倉時代は、武士の出現以降、源平争乱や相次ぐ天変地異など、社会不安が広がった時代でもありました。以前から続く天台宗・真言宗はこうした状況にあまり対応できず、仏教界は腐敗堕落し、大寺院は僧兵を増やし、俗権を求めて争い続けていました。こうした旧仏教は鎮護国家や貴族のための仏教であり、人々は庶民のための仏教の誕生を待ち望んでいました。
こうした中、
鎌倉六宗という新しい仏教が登場しました。
浄土宗 | 開宗:1175年 開祖:法然 出身:美作 著書:選択本願念仏集 寺院:知恩院(京都) |
浄土真宗 | 開宗:1224年 開祖:親鸞 出身:京都 著書:歎異抄,教行信証 寺院:本願寺(京都) |
時宗 | 開宗:1274年 開祖:一遍 出身:伊予 著書:一遍上人語録 寺院:清浄光寺(神奈川) |
日蓮宗 | 開宗:1253年 開祖:日蓮 出身:安房 著書:立正安国論 寺院:久遠寺(山梨) |
臨済宗 | 開宗:1191年 開祖:栄西 出身:備中 著書:興禅護国論 寺院:建仁寺(京都) |
曹洞宗 | 開宗:1227年 開祖:道元 出身:京都 著書:正法眼蔵随聞記,正法眼蔵随 寺院:永平寺(福井) |
鎌倉六宗の中でも、臨済宗と曹洞宗は禅宗として厳しい修行を必要としましたが、その他の4宗は困難な修行が必要ない易行を説き、経典の中から一つ選び(選択)、それをひたすらすがる(専修)という特色がありました。仏の救いを平易に説く新仏教は、武士や庶民など多くの人々に支持されていきました。
鎌倉時代の旧仏教(天台宗・真言宗)は世俗的な宗派となっており、僧界のトップは皇族・摂関家出身者で、その下に貴族出身の僧侶が奉仕していました。また、彼らは不便な山奥を嫌い、里に院家を設けました。院家には貴族と変わらない生活が営まれ、周りには荘園が付随し、僧侶たちは国家安寧と高貴な人々の無病息災を祈ることが仕事でした。