「限りなう心を尽くし聞こゆる人」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解
原文
さるは、
限りなう心を尽くし
聞こゆる人に、いとよう
似奉れるが、
まもらるるなりけりと思ふにも、涙ぞ
落つる。
現代語訳・口語訳・意味
というのも、(光源氏が)
この上なく恋い慕い申し上げている人に、(この少女が)大変よく似申し上げているので、じっと見つめないではいられないのだなと思うにつけても、涙がこぼれ落ちてしまいます。
品詞分解
| 単語 | 品詞 | 敬意の向き |
| 限りなう | ク活用の形容詞「かぎりなし」の連用形「かぎりなく」のウ音便 | ー |
| 心 | 名詞 | ー |
| を | 格助詞 | ー |
| 尽くし | サ行四段活用「つくす」の連用形 | ー |
| 聞こゆる | 謙譲の補助動詞・ヤ行下二段活用「きこゆ」の連体形 | 光源氏→藤壺 |
| 人 | 名詞 | ー |
※「限りなう心を尽くし聞こゆる人」とは、藤壺のこと。藤壺は光源氏の父親の妻。光源氏の初恋の相手であり、光源氏と不義の恋仲にあった。
主な出典
【源氏物語「若紫・北山の垣間見」】
面つきいとらうたげにて、眉のわたりうちけぶり、いはけなくかいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし。ねびゆかむさまゆかしき人かなと、目とまり給ふ。さるは、限りなう心を尽くし聞こゆる人に、いとよう似奉れるが、まもらるるなりけりと思ふにも、涙ぞ落つる。