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「その事に候ふ」の現代語訳・品詞分解
著作名: 走るメロス
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「その事に候ふ」の現代語訳・口語訳・意味・品詞分解

原文

「その事に候ふ。さがなき童どもの仕りける、奇怪に候う事なり。」とて、さし寄りて、据ゑ直して、往にければ、上人の感涙いたづらになりにけり。



現代語訳・口語訳・意味

そのことでございます。いたずらな子どもたちが致しました、けしからんことでございます。」といって、(獅子に)近づいて(位置を元に)置き戻して、行ってしまったので、上人の涙は無駄になってしまいました


品詞分解

単語品詞
「そ代名詞
格助詞
名詞
断定の助動詞「なり」の連用形
候ふ。丁寧の補助動詞・ハ行四段活用「さうらふ」の終止形



主な出典

徒然草「丹波に出雲といふ所あり」
上人、なほゆかしがりて、おとなしく、物知りぬべき顔したる神官を呼びて、「この御社の獅子の立てられ様、定めて習ひある事に侍らん。ちと承らばや。」と言はれければ、「その事に候ふ。さがなき童どもの仕りける、奇怪に候う事なり。」とて、さし寄りて、据ゑ直して、往にければ、上人の感涙いたづらになりにけり。


徒然草「高名の木登り」
そのことに候ふ。目くるめき、枝危ふきほどは、己が恐れ侍れば申さず。過ちは、やすきところになりて、必ずつかまつることに候ふ。

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