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9_80 ことば / 単語

古文単語「のぶ/伸ぶ/延ぶ」の意味・解説【バ行上二段活用/バ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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「のぶ/伸ぶ/延ぶ」の意味・活用・使用例【バ行上二段活用/バ行下二段活用】

このテキストでは、バ行上二段活用/バ行下二段活用の動詞「のぶ/伸ぶ/延ぶ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

①バ行上二段活用

未然形のび
連用形のび
終止形のぶ
連体形のぶる
已然形のぶれ
命令形のびよ


意味1:自動詞

長くなる、伸びる、広がる

[出典]:総角 源氏物語
「見たてまつるに皺のぶる心地して...」

[訳]:(年をとった女房たちは薫の姿を)見申し上げるだけで(顔の)しわが伸びるような気持ちがして...


意味2:自動詞

期限が延びる、延期する、送れる

[出典]:若菜下 源氏物語
「かくて、山の帝の御賀ものびて...」

[訳]:こうして、山の帝の御賀も延期になって...




意味3:自動詞

のびのびとする、くつろぐ、ゆったりする

[出典]:絵合 源氏物語
「弥生の十日ほどなれば、空もうららかにて、人の心ものび...」

[訳]:三月の十日ころなので、空もうららかで、人の心ものんびりし...


意味4:自動詞

逃げ延びる、落ち延びる、逃れる

[出典]:宮御最期 平家物語
「今は宮もはるかにのびさせ給ひぬらん。」

[訳]:今はもう(高倉の)宮もはるか遠くに逃げ延びなさったのだろう。


意味5:自動詞

(財産などが)
貯まる、増える



②バ行下二段活用

未然形のべ
連用形のべ
終止形のぶ
連体形のぶる
已然形のぶれ
命令形のべよ


意味1:他動詞

長くする、伸ばす

[出典]城陸奥守泰盛は 徒然草
「足を伸べて閾に蹴当てぬれば...」

[訳]:(敷居を超えようとした馬が)足を伸ばして敷居にぶつける(のを見る)と...


意味2:他動詞

延期する、延長する

[出典]競べ弓 大鏡
「中関白殿、また御前に候ふ人々も、『いま二度延べさせ給へ。』と申して、延べさせ給ひけるを...」

[訳]:中関白殿、そしてこの御前にお仕えする人々も、「あと二回、(勝負を)延長なさいませ。」と申し上げたので、(弓競べを)延長なさったのですが...




意味3:他動詞

のびのびさせる、ゆったりさせる、のんびりさせる

[出典]:蜻蛉日記
「心ものべがてら浜づらのかたに祓へもせむと思ひて...」

[訳]:心をのんびりさせがてら、浜辺の方でお祓いでもしてみようと思い...






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全訳読解古語辞典 第四版 三省堂
ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse

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