世界史の中でも、大きな変革期であったフランス革命はどのようなきっかけで起こり、進展していったのでしょう。その様子を数回にわけて書いていきます。
革命前のフランス社会
18世紀のフランスは、
アンシャン=レジーム(旧制度)という階級制度が残っていました。
アンシャン=レジームは、第1身分の聖職者、第2身分の貴族、第3身分の平民という社会構造です。
(アンシャン=レジーム)
第1身分、第2身分は特権階級で、全人口の2%しかいませんでしたが、国土のおよそ40%を支配し、加えて納税の義務もありませんでした。
一方の平民は、さまざまな職業の人々からなる階層でした。人口の80%を占める農民の他に、銀行家や地主、新興商工業者、労働者などの市民もそこに含まれていました。
このような身分制度が支配する中、第3身分の人々は次第に変化を求めるようになります。
ブルボン朝の経済疲弊とアメリカ独立戦争
18世紀に入ると、アンシャン=レジームに反対する人々が増えると同時に、フランスブルボン朝も財政危機に陥ります。
この財政危機の理由はいくつかありました。
ルイ14世以降の王族の浪費や戦費の拡大、貴族の年金などが元々の原因でしたが、アメリカ独立戦争への参戦などによる20億リーブルの拠出が、財政危機を決定づけました。
また、このアメリカ合衆国の独立は、ジョン=ロックの主張した革命権の正当性を裏付けるものとして、思想的な面でフランス社会に大きな影響を与えました。