「ひる/干る/乾る」の意味・活用・使用例【ハ行上一段活用】
このテキストでは、ハ行上一段活用の動詞「
ひる/干る/乾る」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
「ゐる」には
①蒜/葫
②干る/乾る
③放る・痢る
④嚏る
⑤簸る
などの用法があるが、ここでは「②干る/乾る」を扱う。
ハ行上一段活用
未然形 | ひ |
連用形 | ひ |
終止形 | ひる |
連体形 | ひる |
已然形 | ひれ |
命令形 | ひよ |
■意味1:自動詞
乾く。
[出典]:
百人一首 寂蓮法師
「村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ」
[訳]:にわか雨の露もまだ乾かない槙の葉に、もう霧が立ち上っている秋の夕暮れであることですよ。
■意味2:自動詞
水かさが減る、潮が引く。
[出典]:
宇治川の先陣 平家物語
「この川は近江の湖の末なれば、待つとも待つとも水
干まじ。」
[訳]:この川は近江の湖の下流なので、待てども待てども
水かさは減りますまい。