あれにもあらず/吾にもあらず
※代名詞「あれ」と断定の助動詞「なり」の連用形「に」、係助詞「も」、ラ行変格活用「あり」の未然形「あら」、そして打消の助動詞「ず」が一語になったもの。
連語
■意味
我を忘れる、無我夢中である。
[出典]:
宮に初めて参りたるころ 枕草子
「...と、ただいそがしに出だし立つれば、
あれにもあらぬ心地すれど参るぞ、いと苦しき。」
[訳]:...と言って、ひたすらせきたてて出仕させるので、
無我夢中の気持ちがするけれど(中宮様のもとへ)参上するのは、とてもつらいものです。
※「あれにもあらず」の「ず」が連体形「ぬ」に活用している。