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9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

百人一首79『秋風にたなびく雲の絶え間よりもれいづる月の影のさやけさ』現代語訳と解説(句切れの有無など)

著者名: 走るメロス
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百人一首(79)左京大夫顕輔/歌の意味と読み、現代語訳、単語、品詞分解、覚え方

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の 影のさやけさ


このテキストでは、百人一首に収録されている歌「秋風にたなびく雲の絶え間よりもれいづる月の影のさやけさ」のわかりやすい現代語訳・口語訳と解説(句切れの有無など)、歌が詠まれた背景や意味、そして品詞分解を記しています。この歌は、百人一首の他に新古今和歌集にも収録されています。



百人一首とは

百人一首は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ和歌集です。100人の歌人の和歌を、1人につき1首ずつ選んで作られています。百人一首と言われれば一般的にこの和歌集のことを指し、小倉百人一首(おぐらひゃくにんいっしゅ)とも呼ばれます。


暗記に役立つ百人一首一覧

以下のテキストでは、暗記に役立つよう、それぞれの歌に番号、詠み手、ひらがなでの読み方、そして現代語訳・口語訳を記載し、歌番号順に一覧にしています。

暗記に役立つ百人一首一覧


原文

秋風に たなびく雲の 絶え間より もれいづる月の (※1)さやけ


ひらがなでの読み方

あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ



現代語訳

秋風に吹かれて横に長く引いている雲の切れ間から漏れてくる月の光の、なんとすがすがしく澄んでいることよ。


解説・鑑賞のしかた

この歌の詠み手は、平安時代後期の公家藤原顕輔(ふじわら の あきすけ)です。百人一首では左京大夫顕輔(さきょう の だいぶあきすけ)として収録されています。

歌道の大家であった六条藤家(ろくじょうとうけ)の出身で、多数の歌会・歌合で活躍しました。崇徳上皇からの命を受け、撰者として『詞花和歌集』の編集にも携わりました。

派手なテクニックを用いることなく、シンプルに秋の情景を歌い上げている点からも、藤原顕輔の実力をうかがい知ることができます。


主な技法・単語・文法解説

単語・文法解説

(※1)影ここでは「光」を表す



句切れ

句切れなし。


品詞分解

※名詞は省略しています。



秋風
格助詞
たなびくカ行四段活用「たなびく」の連体形
格助詞
絶え間
より格助詞
もれいづるダ行下二段活用「もれいづ」の連体形
格助詞
格助詞
さやけク活用の形容詞「さやけし」の語幹
接尾語



著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。
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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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