「せく/塞く/堰く」の意味・活用・使用例【カ行四段活用】
このテキストでは、カ行四段活用の動詞「
せく/塞く/堰く」の意味、解説とその使用例を記している。
「せく」には
①急く
②塞く/堰く
③咳く
などの用法があるが、ここでは「②塞く/堰く」を扱う。
カ行四段活用
未然形 | せか |
連用形 | せき |
終止形 | せく |
連体形 | せく |
已然形 | せけ |
命令形 | せけ |
■意味1:他動詞
せき止める、妨げる。
[出典]:
百人一首 崇徳院
「瀬を早み 岩に
せかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」
[訳]:川の流れが速いので、岩に
せき止められた急流(滝のような川の水)が、たとえ(2つに)割れたとしても、(下流でふたたび合流するように私たちも一度引き離されても再び)めぐり合おうと思うのです。
■意味2:他動詞
(男女の仲の)
邪魔をする。
[出典]:
主ある家には 徒然草
「主なき所には、道行き人みだりに立ち入り、狐・梟やうのものも、人気に
せかれねば、所得顔に入り住み、こだまなどいふ、けしからぬかたちも現るるものなり。」
[訳]:主人のない所には、通行人が気ままに立ち入り、狐やふくろうのようなものも、人の気配に
邪魔をされることなく、得意気に入り住んで、こだまなどという、あってはならないどころではない容姿のものも現れるのです。