万葉集「万代に年は来経とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし」歌の意味と読み、現代語訳、単語
このテキストでは、万葉集の第5巻に収録されている「
万代に年は来経とも梅の花絶ゆることなく咲きわたるべし」(八三〇)の現代語訳・口語訳とその解説を記しています。この和歌は、平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった万葉集『
梅花の歌三十二首并せて序』に収録された32首のうちのひとつです。
原文
(※1)万代に 年は来経とも 梅の花 絶ゆることなく 咲きわたるべし
ひらがなでの読み方
よろづよに としはきふとも うめのはな たゆることなく さきわたるべし
現代語訳
永遠に年がやって来ては去って行くとしても梅の花は絶えることなく咲き続けることでしょう
解説
筑前介佐氏子首(=佐伯子首)の歌です。大伴旅人主催の梅花の宴にて詠まれた32首のひとつです。梅花の宴とは文字通り梅の花を題材とした歌を詠む会で、当時太宰府の長官であった大伴旅人を中心に開催されました。そのときに詠まれた32首にはすべて梅の花が含まれています。
単語・文法解説
著者情報:走るメロスはこんな人
学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。