をりふし/折節
このテキストでは、古文単語「
をりふし/折節」の意味、解説とその使用例を記している。
「をりふし/折節」は
①名詞
②副詞
としての用法がある。
①名詞
■意味1
その折々、その時々。
[出典]:土佐日記
「在る人々、をりふしにつけて、漢詩ども、時に似つかはしきいふ。」
[訳]:そこに居合わせる人々は、その折々にあわせて、漢詩などを、そのときにふさわしいものを吟じる。
■意味2
時季、季節、時節。
[出典]:
折節の 徒然草
「
をりふしの移り変はるこそ、ものごとにあはれなれ。」
[訳]:
季節が次第に変わっていく様子は、何ごとにつけても趣を感じる。
②副詞
■意味1
ちょうどその時。
[出典]:
宇治川先陣 平家物語
「昔ながらの雪も消え、谷々の氷うち解けて、水は
をりふし増さりたり。」
[訳]:昔ながらの長良山の雪も消えて、谷々の氷も解けて、(宇治川の)水は
ちょうどその時増していました。
■意味2
時々、たまに、ときおり。
[出典]:汐越の松 奥の細道
「をりふしあはれなる作意など聞こゆ。」
[訳]:時々趣を感じる趣向(の句を読む越え)が聞こえる。