やくなし/益なし
このテキストでは、ク活用の形容詞「
やくなし/益なし」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容詞・ク活用
未然形 | やくなく | やくなから |
連用形 | やくなく | やくなかり |
終止形 | やくなし | ◯ |
連体形 | やくなき | やくなかる |
已然形 | やくなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | やくなかれ |
■意味1
無益である、無駄である、効果がない。
[出典]:徒然草
「誠に、少しの地をもいたづらに置かんことは、やくなき事なり。」
[訳]:本当に、少しの土地でも、空いたままにしておくことは、無益なことである。
■意味2
困ったことだ、まずいことだ、感心できない。
[出典]:
道長の豪胆 大鏡
「承らせ給へる殿ばらは、御気色変はりて、
益なしと思したるに...」
[訳]:(命令を)お受けになられた殿方(道隆・道兼)は、お顔色が変わって、
困ったことだとお思いになっていますが...