たちならぶ/立ち並ぶ
このテキストでは、古文単語「
たちならぶ/立ち並ぶ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「たちならぶ/立ち並ぶ」には
①バ行四段活用
②バ行下二段活用
の用法がある。
①バ行四段段活用
未然形 | たちならば |
連用形 | たちならび |
終止形 | たちならぶ |
連体形 | たちならぶ |
已然形 | たちならべ |
命令形 | たちならべ |
■意味1:自動詞
立って並ぶ、一緒に並ぶ。
[出典]:
漂泊の思ひ・旅立ち 奥の細道
「これを矢立の初めとして行く道なほ進まず。人々は途中に
立ち並びて、後ろ影の見ゆるまではと見送るなるべし。」
[訳]:これを(旅で使う)矢立ての書き始めとして(出発したが)行く道はやはり(足が)進まない。(私たちを見送ってくれている)人たちは途中に
一緒に並んで、(私たちの)後姿が見えるまではと見送ってくれるのだろう。
■意味2:自動詞
匹敵する、肩を並べる、同じほどである。
[出典]:かぐや姫の昇天 竹取物語
「我が丈たちならぶまで養ひ奉りたる我が子を...」
[訳]:私の背丈と同じほどになるまで養い申し上げた我が子を...
②バ行下二段活用
未然形 | たちならべ |
連用形 | たちならべ |
終止形 | たちならぶ |
連体形 | たちならぶる |
已然形 | たちならぶれ |
命令形 | たちならべよ |
■意味1:他動詞
同等に扱う、同じ程度のものと考える。
[出典]:玉鬘 源氏物語
「さりとも明石の列には、立ち並べたまはざらまし。」
[訳]:そうだとしても明石の君なみには、同等に扱いなさらないでしょう。