ふさがる/塞がる
このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「
ふさがる/塞がる」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ラ行四段活用
未然形 | ふさがら |
連用形 | ふさがり |
終止形 | ふさがる |
連体形 | ふさがる |
已然形 | ふさがれ |
命令形 | ふさがれ |
■意味1:自動詞
遮られる、妨げられる、閉じる、詰まる。
[出典]:よろづの事は 徒然草
「左右広ければさはらず。前後遠ければ塞がらず。」
[訳]:(人の心は)左右に広ければ差し障りがない。前後が遠ければ妨げられない。
■意味2:自動詞
胸がいっぱいになる、こみ上げる。
[出典]:
漂泊の思ひ・旅立ち 奥の細道
「千住といふ所にて舟を上がれば、前途三千里の思ひ胸に
ふさがりて、幻のちまたに離別の涙をそそぐ。 」
[訳]:千住というところで舟をおりると、前途は三千里もあろうかという旅に出るのかという思いで胸が
いっぱいになり、幻のようにはかないこの世の分かれ道に離別の涙を流す。
■意味3:自動詞
立ちふさがる、立ちはだかる。
[出典]:嗣信最期 平家物語
「馬の頭を立て並べて、大将軍の矢面にふさがりければ...」
[訳]:馬の頭を立てて並べて、大将軍の真正面に立ちふさがったので...