さだむ/定む
このテキストでは、マ行下二段活用の動詞「
さだむ/定む」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
マ行下二段活用
未然形 | さだめ |
連用形 | さだめ |
終止形 | さだむ |
連体形 | さだむる |
已然形 | さだむれ |
命令形 | さだめよ |
■意味1:他動詞
決める、決定する。
[出典]:
ある人、弓射ることを習ふに 徒然草
「毎度、ただ、得矢なく、この一矢に
定むべしと思へ。」
[訳]:(矢を射る)毎回、ただ、当たる当たらない(と考える)のではなく、この一本の矢で
決めよう(射抜こう)と思いなさい。
■意味2:他動詞
議論する、相談する、評議する。
[出典]:渚の院 土佐日記
「ここに相応寺のほとりに、しばし船をとどめて、とかく定むることあり。」
[訳]:そこで相応寺のそばに、しばらく船を止めて、あれこれ相談することがある。
■意味3:他動詞
治める、平定する、鎮める。
[出典]:万葉集
「天の下治めたまひ、食す国を定めたまふと...」
[訳]:天下をお治めになり、ご統治される(この)国を平定なさろうと...