したふ/慕ふ
このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「
したふ/慕ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
ハ行四段活用
未然形 | したは |
連用形 | したひ |
終止形 | したふ |
連体形 | したふ |
已然形 | したへ |
命令形 | したへ |
■意味1:他動詞
恋しく思う、慕う、心引かれる。
[出典]:
花は盛りに 徒然草
「花の散り、月の傾くを
慕ふならひはさることなれど...」
[訳]:花が散り、月が(西に)沈みかけるのを(惜しみ)
慕うならわしはもっともなことではあるが...
■意味2:他動詞
慕ってあとを追う。
[出典]:
若紫・北山の垣間見 源氏物語
「おのがかく今日明日におぼゆる命をば、何とも思したらで、雀
慕ひ給ふほどよ。」
[訳]:私がこのように今日明日かと思われる命ですのに、なんともお思いにならないで、雀を
追いかけていらっしゃることです。
■意味3:他動詞
師事する、ついて学ぶ。
[出典]:西鶴織留
「有職の道者に慕ひ...」
[訳]:儀式の作法は専門家について学び...