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古文単語「あはす/合はす」の意味・解説【サ行下二段活用】

著者名: 走るメロス
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あはす/合はす

このテキストでは、サ行下二段活用の動詞「あはす/合はす」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

サ行下二段活用

未然形あはせ
連用形あはせ
終止形あはす
連体形あはする
已然形あはすれ
命令形あはせよ


意味1:他動詞

一つにする、合わせる

[出典]:かぐや姫の昇天 竹取物語
「勅使、中将の高野のおほくにといふ人を指して、六衛の司あはせて、二千人の人を、竹取が家につかはす。」

[訳]: 勅使に、中将高野大国という人物を任命して、六衛の役所を合わせて二千人の人を、竹取の翁の家に派遣なさる。


意味2:他動詞

結婚させる

[出典]筒井筒 伊勢物語
「女はこの男をと思ひつつ、親のあはすれども、聞かでなむありける。」

[訳]:女はこの男を(夫にしたい)と思い続け、親が(他の男と)結婚させようとするのですが、それを聞き入れずにいました。




意味3:他動詞

夢合わせをする
夢合わせとは、見た夢の内容で吉凶を判断すること。

[出典]:うれしきもの 枕草子
「いかならむと思ふ夢を見て、おそろしと胸つぶるるに、ことにもあらず合はせなしたる、いとうれし。」

[訳]: どうだろうかと(不安に)思う夢を見て、恐ろしいと胸がつぶれるようなときに、(ある人が)たいしたことでもないと夢あわせをしてくれたのは、とても嬉しい。


意味4:他動詞

釣り合わせる、適合させる

[出典]:大進生昌が家に 枕草子
「...笑ひて、『家のほど身のほどにあはせてはべるなり。』といらふ。」

[訳]: 大進生昌は笑って、「家の大きさや身の程に釣り合わせて作っているのです。」と答える。




意味5:他動詞

比べる、比べて優劣を競わせる

[出典]:絵合 源氏物語
「竹取の翁に、宇津保の俊蔭をあはせて争ふ。」

[訳]:竹取の翁(の物語の絵)と、宇津保物語の俊蔭(の絵)を比べて優劣を競わせる。


意味6:他動詞

楽器の調子を整える、合奏する

[出典]:橋姫 源氏物語
「姫君に琵琶、 若君に箏の御琴、まだ幼けれど、常に合はせつつ習ひたまへば...」

[訳]: 姫君の琵琶、若君の箏の腕前は、まだ幼いが、いつも合奏しながらお習いになっているので...




意味7:他動詞

(鷹狩で)
鷹を向かわせる

意味8:補助動詞

互いに〜する、一緒に〜する

※この用法の場合、動詞の連用形につく。
[出典]:玉鬘 源氏物語
「語らひあはすべき人もなし。」

[訳]一緒に親しく相談するような人もいない。

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ベネッセ全訳古語辞典 改訂版 Benesse
全訳読解古語辞典 第四版 三省堂

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