うかがふ/窺ふ
このテキストでは、ハ行四段活用の動詞「
うかがふ/窺ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「うかがふ」には
・
伺ふ
・窺ふ
の用法があり、それぞれ意味が異なる。ここでは「窺ふ」の解説を行う。
※参照:
伺ふの用法
ハ行四段活用
未然形 | うかがは |
連用形 | うかがひ |
終止形 | うかがふ |
連体形 | うかがふ |
已然形 | うかがへ |
命令形 | うかがへ |
■意味1:他動詞
様子を探る。
[出典]:末摘花 源氏物語
「我も行く方あれど、跡につきてうかがひけり。」
[訳]:私も行く所はあったのだが、(光源氏の)後をつけて様子を探っていた。
■意味2:他動詞
機会をねらう、好機を待つ。
[出典]:
袴垂、保昌に会ふこと 宇治拾遺物語
「十月ばかりに、衣の用なりければ、衣少しまうけむとて、さるべき所々、
うかがひありきけるに...」
[訳]:十月の頃に、着物が必要であったので、着物を少し用意しようと、(盗みをするのに)適した場所を
機会をねらって歩いていたところ...
■意味3:他動詞
調べる、尋ね求める。
[出典]:
祇園精舎 平家物語
「近く本朝を
うかがふに...」
[訳]:近ごろの我が国(の例を)
調べてみると...
■意味4:他動詞
一通り知っておく。
[出典]:徒然草
「弓射、馬に乗ること、六芸に出だせり。必ずこれをうかがふべし。」
[訳]:弓を射ること、馬に乗ることは、六芸に挙げられている。必ずこれを一通り知っておくべきである。